ATIハードウェア用第二世代GPUクライアント (GPU2) FAQ

目次

- FAHの簡単な歴史: TinkerからGromacs、GPU、GPU2、そしてGPU3に至るまで
- はじめに
- TinkerコアでデビューしたFolding@home (2000年10月)
- さらなる前進:Gromacsコア (2003年5月)
- 大いなる次のステップ:ストリーミングプロセッサコア (2006年9月)
- 第二世代GPUコア、ATIハードウェア版GPU2 (2008年4月)
- 第二世代GPUコア(GPU2)、NVIDIA版 (2008年6月)
- 第三世代GPUコア(GPU3)、NVIDIA版 (2010年5月)
- ご利用にあたって
- よくある質問 (GPU共通)
- 一日あたりポイント(PPD)がプロジェクトによって全然違います
- ビューアについて教えてください
- Vista/Win7でビューアの調子がよくありません (すぐ落ちてしまいます)
- 新クライアント・コアはどのOSをサポートしていますか
- GPUクライアントはサービスとして実行できますか
- クライアント実行中にCPUを他の作業で使っても大丈夫ですか
- システムトレイ版クライアントで起動オプションを指定するには
- 新しいショートカットを作るには
- マルチGPUはサポートしていますか
- GPUワークユニット(WU)のポイントはどうなっていますか?
- 新しいGPUクライアントはどこが重要なのですか?
- 各世代のGPUクライアントはどこが違いますか
- このクライアントを動かしているとき、GPUをゲーム等に使っても大丈夫ですか
- トラブルシューティング (GPU共通)
- 前は問題なく動いたのに、Early Unit End (EUE)がたくさん出るようになりました。どうすればいいですか
- クライアントが UNSTABLE_MACHINE エラーを出して24時間sleepしています。どうすればいいですか
- GPUクライアントはどこにインストールされますか
- GPUクライアントがサーバOS (Server 2003など) 上で動作しません
- ベータ版クライアントについて
- GPU2/ATI版クライアント 特有のトラブル
- Vista/Win7上でまともに動きません
- GPU1クライアントと同じWUを処理できますか
- GPUのクロックを調節してもいいですか
- PCIeとAGPでは差がありますか
- サポート対象のGPUがないというエラーになります
- coreがDLLを見失ってしまいます。
- DLLエラーのダイアログ窓がポップアップします
- 新しいDLLで問題が出る原因は?
- クレジット

FAHの簡単な歴史: TinkerからGromacs、GPU、GPU2、そしてGPU3に至るまで

はじめに

Folding@home (FAH) を2000年に開始して以来、分子シミュレーションのスピードは飛躍的な向上を続けています。世界中から数十万のPCが参加することにより、以前は不可能と考えられてきた計算が今は当たり前のように行われています。FAHはタンパク質の折りたたみとこれに関係する疾病を研究対象とし、プロジェクトを通じて幾多の科学的進歩をもたらしました。

2006年になって、我々は処理能力を大きく向上する新たな手段に目を向けはじめました。これはATIの新しい高性能グラフィックス処理ユニット (GPU) を用い、かつてはスーパーコンピュータでしかなしえなかった計算速度を実現するものです。この新技術により、SonyのPlayStation3が搭載する新しいCellプロセッサと同じように、1台のコンピュータで100GFlopsクラスの性能を得られるようになるでしょう。新しいソフトウェアとハードウェアを組み合わせ、我々はFolding@homeの歩みを大きく進めることが出来ます。

そして2008年、我々は第二世代GPUコア (GPU2) を開発しました。これは最初のGPUコアよりずっと洗練され、高い信頼性と使いやすさ、そして科学計算能力が飛躍的に向上しています。

我々のゴールはこの新技術でFolding@homeの処理能力を劇的に向上させ、シミュレーションでアルツハイマー病、ハンチントン病、および 癌といった、タンパク質折り畳みに関係する疾病の研究を推し進めることです。これらコンピュータの進歩が新技術を利用したシミュレーションメソドロジと結びつき、計算量が膨大で以前は不可能と思われた問題をも解くことができるようになり、折り畳みに関連した疾病の学問に大きな影響を与えるでしょう。

TinkerコアでデビューしたFolding@home (2000年10月)

2000年10月、Folding@homeは正式リリースされました。このメインソフトウェア・コアエンジンはTinker分子動力学(MD)コードでした。Tinkerは用途が広く、またよくデザインされたソフトウェアであることから最初の科学計算コアに選ばれました。とりわけ、Tinkerは多様なMD力場と溶媒モデルをサポートする唯一のコードでした。Tinkerコアを用い、我々はただのアミノ酸配列から最初の小さなタンパク質を折り畳むことに成功しました (後にNature誌に掲載)。

さらなる前進:Gromacsコア (2003年5月)

何ヶ月のテストの後、Folding@homeはGromacs MDコードベースの新しいコアを2003年5月にリリースしました。Gromacsは入手できる最高速のMDコードであり、おそらく世界でもっとも最適化された科学計算コードです。ハンドチューンされたアセンブリコードとPCおよびintel MacのSSE命令を使用することにより、Gromacsは他のMDコードに対し10倍のオーダーで速く、とりわけTinkerからは約20~30倍もの高速化を実現しました (Tinkerは速度よりも融通の利く機能性に優れたコードとして書かれていました)。

ところが、Gromacsは確かにTinkerより速いものの、できることに限界がありました。たとえば、Tinkerの折り畳みシミュレーションで重要な役割を果たしている陰溶媒モデルの多くがサポートされていません。Gromacsは特定のシミュレーションを大幅に高速化するとはいえTinkerコアの代替になりえず、このためTinkerは引き続き (Science誌に掲載された最近の論文でも) Folding@homeで重要な役割を担い続けることになったのです。FAHの科学計算における重要性を考慮し、Gromacs WUのポイントはTinkerから据え置かれました。それだけでなく、ベンチマーク機を 500MHz Celeron から 2.8 GHz Pentium 4 に置き換え、これらのWUが公平にベンチマークできるようにしました (ベンチマーク機にはSSEハードウェアサポートが必要だったため)。

大いなる次のステップ:ストリーミングプロセッサコア (2006年9月)

GromacsコアがPCのSSEを利用してFolding@homeに20~30倍の大きな高速化をもたらしたのと同じく、2006年 Folding@homeは新世代ハードウェア、プログラマブルな浮動小数点計算が出来るGPUを利用する新たなストリーミングプロセッサコアを開発しました。高度に最適化されたハンドチューンのコードを書いてATI X1900クラスのGPUを動かし、Folding@homeの科学技術計算は限定された状況ながら従来のソフトウェア(Gromacs)からさらに20~30倍の高速化を実現したのです。この凄まじい高速化は原則として完全な分子ダイナミクス計算をGPU上で行った上でのことです。GPU最速コードを目指すような、意欲的なソフトウェア開発作業が行われました。

これに加え、SonyはPandeグループと共同でPS3 Cellプロセッサ用のコアを開発し、従来x86/SSE Gromacsコアで実現していた科学技術計算を飛躍的に高速化しました。Gromacs導入時に続いて、(GPU以外では実行できない) ストリーミングWUをベンチマークするためにATI X1900 GPU機の追加を含むベンチマークマシン切り替えを行う予定です。このマシンはGPUを使わないCPU版WUもベンチマークすることになるでしょう (GPUが特定の限られたシミュレーションしか行えないため、CPUも依然必要なのです)。

第二世代GPUコア、ATIハードウェア版GPU2 (2008年4月)

最初のGPUコアをリリースしてしばらく実行結果を解析する中で、我々はGPGPUソフトウェアの実行について多くのことを学びました。たとえばGPGPUをDirectXを通して実行すると、私たちの求めている用途には信頼性が不十分、といったようなことです。またGPUのアルゴリズムと改良についても多くのことがわかりました。GPUの本当にエキサイティングな一面は、既存のアルゴリズムを高速化するだけでなく、CPUでは出来るとまったく考えられなかった新しいアルゴリズムに対して道を開いたことです (CPU上で非常に遅くても、GPUではそうとも限らないのです)。

多くの努力が費やされ、第一世代GPUから得たすべてを注ぎ込んで第二世代のクライアントが作られました。この新しいクライアントは、より高速で信頼性が高く、高機能な科学計算能力があります。試験運用の結果は上々で、FAHユーザの皆さんにこのクライアントを提供できることに我々は心躍る思いです。

第二世代GPUコア(GPU2)、NVIDIA版 (2008年6月)

NVIDIAの協力により、NVIDIAハードウェア用のGPU2コアをリリースしました。

第三世代GPUコア(GPU3)、NVIDIA版 (2010年5月)

強力な計算能力によって、GPU2クライアントは現在までに目覚ましい科学的成果を挙げています。私たちのごく最近の論文で(動画もご覧ください)、このGPUクライアントはFolding@Homeを未曾有の段階、原子レベルのタンパク質折り畳みをミリ秒タイムスケールに拡げる主役を演じました。

GPU3では重要な新機能をいくつかFolding@Homeに導入しています。特に、GPU3では科学計算が大きく進歩しています。それは、より高精度なモデル、新しい種類の科学計算、2倍の高速化、シミュレーションの安定化、ランタイム計算最適化のためのOpenCLサポート、および新しい科学計算能力を追加する大きなフレキシビリティで、OpenMM GPUライブラリを使うことで達成しています(もとはFAH GPUコードですが、Simbiosのスタッフにより大幅に強化されています)。

GPU3はまた将来OpenMMがOpenCLをサポートするための基盤を作りました。これにより、科学計算コードのオンザフライランタイム最適化のようないくつか非常に重要な科学的機能が導入されることでしょう。しかしながら、現時点では、OpenCLは現在のGPU3 NVIDIAクライアントをサポートしていません。


ご利用にあたって

このwebページではGPU/ATIクライアントのFAQとリリースノートを提供します。そして、新しい情報が入り次第更新していきます。

FAH GPUクライアントのインストーラを実行すると、ひととおり設定まで済んだ状態になります。インストールされるのはv6.xスタイルのシステムトレイ版クライアント、および新クライアントに必要なDLLファイルです。クライアントは上級者向け高性能クライアントダウンロードページから入手してください。インストール手順のガイドはこちらにあります。

動作環境:

  • 2xxx/3xxx/4xxx/5xxx以降のATIビデオカード
  • v8.1以降v9.2までのATIドライバ。v8.3以降を推奨 (v9.3 および OEMドライバはサポートしていません)
  • 5xxxシリーズの場合は ドライバv9.10以降必須。クライアントv6.23では 起動オプション -forcegpu ati_r700 を必ず指定してください
  • (AGPの場合) BIOS の GPU aperture size 設定は 128MB 以上必須
  • Microsoft .NET Framework 2.0。最新版にアップデートを推奨します。
  • XP以降のWindowsオペレーティングシステム

GPU2クライアントはベータ版ではありませんが、coreはまだベータリリースであり、ご利用に当たってはバグ、不具合などのトラブルが予想されます。問題を最小限にするため、我々は内部で広範なテストを実施し、きちんと動作することを確認してきました。しかし、今までの経験から研究室における管理された環境と「外の荒野で」実行することは状況がまったく異なります。

ベータ版ソフトウェアのご利用の際はハードディスクの重要なデータをバックアップしておいてください。また、ほんのわずかでもマシンが不安定になってはいけない場合、このソフトウェアを実行しないでください。


よくある質問 (GPU共通)

一日あたりポイント(PPD)がプロジェクトによって全然違います

GPUが異なると、サイズの違うタンパク質をシミュレーションするときにPPDが変動します。ベンチマークは特定のマシンで行っており、ベンチマーク機と似た構成のマシンであればPPDの変動がないことを保証できますが、ベンチマーク機から外れれば外れるほど大きく変動することになります (ハードウェアの大きな性能差、たとえばGPUのシェーダ数が大きく違う場合、33%のずれも法外とはいえません)。これはNVIDIAのカードでは顕著で、小さいタンパク質では大差ないのに大きいタンパク質になるとベンチマーク機とかけはなれていきます。ベンチマーク機を更新する計画がありますが、この件については今のところ変更ありません。

ビューアについて教えてください

タンパク質折りたたみの視覚化に取り組んでおり、ビューアのコードをテストしています。ビューアは右の画像のようになっています。クリックすると大きな画像を表示します。

Folding@home PS3版クライアントと同じように、GPUクライアントはシミュレーション中のタンパク質の様子をリアルタイムで表示します。GPUクライアントは非常に高速なので、タンパク質はかなり激しく動きます (場合によってはクラシッククライアント比で約1,000倍)。ここをクリックすると、ATI版のムービーを鑑賞できます (注意:10MBあります)。ATIとNVIDIAにはビューアの開発、とくにデザインについて協力いただきました。メインエンジンを担当したAdam Bebargにも感謝します。

Vista/Win7でビューアの調子がよくありません (すぐ落ちてしまいます)

Vista/7では、ユーザアカウント制御 (UAC) がビューアに管理者実行を許可しているか確認してください。ビューアのバイナリを右クリックして 管理者として実行 で起動するのもよいでしょう。(これらの問題により)ビューアはVista/7をまだ公式サポートしていませんが、クラッシュするマシンが非常に多いため、動くようにしたいと思います。

NVIDIAの協力により、GPU3のビューアは大きく改善しました。これまでの多くの問題も解決に向かうでしょう。

新クライアント・コアはどのOSをサポートしていますか

今のところ Windows XP/2003/Vista/7 上で動作します。(Linux/OSXも将来サポートするかもしれません)

GPUクライアントはサービスとして実行できますか

サービスインストールは現在サポートしていません。WindowsXPならばGPUコンソール版クライアントをサービスとして実行できる可能性がありますが、Windows Vista/7では不可能です。これはビデオドライバのアーキテクチャが異なるためで、Vista/7はドライバインタフェースをサービスに繋ぐことが出来ず、動かすには膨大な労力が必要になります。

XP/2003とVista/7では、システムトレイ版クライアントのショートカットをWindowsスタートアップフォルダに置くことで、サービスと似た使い方が可能です。

クライアント実行中にCPUを他の作業で使っても大丈夫ですか

今のところGPUクライアントはGPUに重い処理をさせるほか、CPUも少々使います。しかしながら、将来計算負荷を完全にGPUに移したいと考えています。

システムトレイ版クライアントで起動オプションを指定するには

v6.12beta8クライアント以降、Advanced タブの設定パネルで起動オプションを指定できるようになりました。新しいショートカットを作り、ショートカットのプロパティからコマンドラインオプションを指定することも出来ますが、これはミスしやすいためお勧めしません。

新しいショートカットを作るには

ショートカットが必要なときは、下記の説明に注意深く従って作成してください。Windowsエクスプローラで新しいショートカットを作成した場合、下記のようにプロパティを正しく設定する必要があります。

Windows XP/2003の場合
リンク先: "C:\Program Files\Folding@home\Folding@home-gpu\Folding@home.exe" -verbosity 9
(-verbosity 9 の他に指定するオプションがあれば、それを指定)
作業フォルダ: "C:\Documents and Settings\<your_windows_username>\Application Data\Folding@home-gpu\"

Windows Vista/Win7の場合
リンク先: "C:\Program Files (x86)\Folding@home\Folding@home-gpu\Folding@home.exe" -verbosity 9
(-verbosity 9 の他に他に指定するオプションがあれば、それを指定)
作業フォルダ: "C:\Users\<your_windows_username>\AppData\Roaming\Folding@home-gpu\"

Note: "作業フォルダ" と "リンク先" のパスは同じではありません! また <your_windows_username> のところはそのまま入力しないでください。あなたがWindowsにログインするとき使っているアカウント名を入力します。新しいショートカットを使う前に、スタート--プログラム--スタートアップ フォルダにあるオリジナルのFAH GPUショートカットを忘れずに削除してください。また、後でクライアントをアップデート・再インストールすると、インストーラはオリジナルのショートカットを再作成します。ワークユニットデータがごちゃ混ぜにならないよう、オリジナルのショートカットを再度削除してください。

詳しい説明はWindows GPUガイドにあります。

マルチGPUはサポートしていますか

"-gpu N" 起動オプション (N は0から始まる数字) を指定すれば、GPUクライアントの多重実行が可能です。起動オプションはシステムトレイ版クライアントの場合 コントロールパネルの adbanced タブに、コンソール版クライアントの場合 advanced options の先の Additional client parameters で指定します。繰り返しますが、N は 1 ではなく 0 から始まる数字です。プライマリディスプレイが 0、その次は 1 といった具合です。一つ以上のクライアントを多重実行するときに重要なのは、-gpu N オプション指定、マシンID指定、workディレクトリパスをすべて別々にすることです。下記の説明に従ってください。

Teslaその他の非コンシューマクラスのカードを使用するときは、"-forcegpu" オプションを指定してください。このオプションにより、クライアントのハードウェア自動検出が無効になり、サポート外のGPUファミリとは認識されなくなります。オプションの引数はサポートしているGPUファミリごとに異なり、現在利用できるのは ati_r600、ati_r700、ati_r800、nvidia_g80、そして nvidia_fermi です。オプションの指定により、GPUクライアントが本来最新ドライバを適用していれば問題ないはずの、特定のGPUを受け付けない問題に対応できます。-forcegpu オプションは -gpu N と一緒に用い、クライアントが特定のGPUIDを使うよう指示します。例えば:

 Folding@home.exe -gpu 2 -forcegpu nvidia_g80

クライアントにシステムに存在する三つ目(2+1)のCUDA対応デバイス上でNVIDIA coreを実行するよう指示します。同様に:

 Folding@home.exe -gpu 3 -forcegpu ati_r600

クライアントにシステムに存在する四つ目(3+1)のCAL対応デバイス上でATI coreを実行するよう指示します。

詳しい説明は、下記のリンクを参照ください。

  1. フォーラム内のFAQ
  2. Windows GPUガイド

これらの情報もメインFAQに反映させていきます。またインストーラが直接マルチGPUを設定できるよう取り組んでいます。

GPUワークユニット(WU)のポイントはどうなっていますか?

ポイントはCPUクライアントベンチマークと同様に、ベンチマークマシンとの相対性能で決まります。新しいプロジェクト(WUセット)をリリースするときは、まず専用のマシンでベンチマークします。このマシンは AMD Athlon64 X2 4000+ 2.16GHz、ATI Radeon 3850 GPU (512 MB, 320ストリームプロセッサ)を搭載するDell Inspiron 531です。

ベンチマークテストの結果は、下記の公式に当てはめます:

ポイント = 1500 * (DaysPerWU)

ここで DaysPerWU はベンチマークマシンがそのWUを処理するのにかかった日数です。GPUクライアントは高速なCPUに依存しているので、CPUはここでも重要なパーツです。ここで算出した一日あたりポイント(PPD)はCPU負荷が重いことを想定しており、PPDが大きいものは高いCPU使用率を補償する意味でそうなっています。

リファレンスマシンのWU処理性能はあなたのマシンと違う場合があることに留意してください。GPUはモデルによってアーキテクチャやメモリ速度がまったく異なります。さらに、同じプロジェクトのWU同士でも処理速度に幅があります。

我々のねらいは(上記)リファレンスマシン構成を定義してポイントに一貫性を持たせることです。これを超えてあなたのマシンが獲得するポイントを完全に予測するポイントシステムは、マシンとマシン、WUとWUの間にある自然なばらつきのため、難しいでしょう。

新しいGPUクライアントはどこが重要なのですか?

GPUクライアントの目的は二つあります:ストリームプロセッサの高い処理能力を活用することと、マルチGPUが今後数年にわたって業界標準になるとき主要なFAHコンピューティングパラダイムの一つになるシミュレーションアーキテクチャの開発を支援することです。高性能クライアントは普通のアーキテクチャでは非現実的な種類の計算をも実行することを可能にします。そして、科学技術計算能力と皆さんの貢献を著しく高めてくれるのです。

高性能クライアントはしばしばコンピュータリソースを多く必要とします。GPUクライアントは一般的に24時間稼働の専用機で実行され、多くの処理能力、ディスク容量、ネットワークリソース、システムメモリ等を消費します。科学的にメリットがあるかどうかはWUがいかに早く返送されてくるかにかかっており、このためGPU WUの〆切を短く設定しています。通常のCPUクライアント以上の計算機リソース消費、非常に短い〆切でWU処理を完了しなければならないこと、次世代科学計算アーキテクチャの開発への貢献を考慮し、現在ベンチマークの基礎点はGPU WUの要求の高さに比例して設定してしています。GPUクライアントと皆さんの貢献無しに、多くの重要プロジェクトを完遂することはかなわないでしょう。

各世代のGPUクライアントはどこが違いますか

GPU1からGPU2: 技術的には、GPU2クライアントから非常に便利で新しい機能をいくつか導入しています。PS3と同じ先進的なWaterモデルと(これからPS3に導入していく)新しいモデルをサポートしています。これら高度なモデルのおかげで、新しいGPUクライアントは我々にとって非常に有用なものになりました。

見えないところにもたくさんの変更があります。前世代のクライアントはGPU特有の難しい問題をいくつも抱えていましたが、第二世代クライアントで(我々が知る限り)全部修正しています。この修正で重要な部分は、DirectX の代わりに CAL(ATI) と CUDA(NVIDIA) を使ったことです(前世代クライアントはDirectXを使ったため、トラブルが目立ちました)。CAL と CUDA を使った大きなメリットとして、クライアントはもはやDirectXのコンテキストスイッチの影響を受けなくなりました。ユーザを簡易切り替えしたりコンピュータをロックしても、GPUの処理には何ら影響ありません。ただし、リモートデスクトップは相変わらずGPUクライアントに干渉するようで、接続するとFahCoreが落ちてしまいます。VNCではこの問題が発生しないため、代用に使えます (NVIDIAハードウェアではテストする必要あり)。

GPU2からGPU3: 開始時点では、ユーザレベルでほとんど違いがわかりません。しかし、技術的には (冒頭で述べたように) 劇的に変わってきています。

このクライアントを動かしているとき、GPUをゲーム等に使っても大丈夫ですか

はい。旧GPUクライアントはGPUを使う様々な操作と干渉していましたが、新世代のGPUクライアントは心配いりません。動画を観たりゲームをしても、GPUクライアントの動作は処理が遅くなったり止まって見える以外に何ら影響ありません。新しいクライアントはアプリケーションがDirectX排他モードを要求すると一旦停止しますが、ログファイルには何も残りません。排他モードを要求しないDirectXプログラムの場合、GPUクライアントの処理速度が遅くなり、またアプリケーション側の性能も低下します。フルスクリーンで動画を観るときは、GPUクライアントの影響はありません。


トラブルシューティング (GPU共通)

前は問題なく動いたのに、Early Unit End (EUE)がたくさん出るようになりました。どうすればいいですか

GPUを派手に使うゲームがGPUの状態をおかしくしてしまい、EUE (Early Unit Endエラーメッセージ) が頻発する現象を確認しています。コンピュータを再起動すれば問題はなくなるでしょう。もっと良い解決策は検討中です。

クライアントが UNSTABLE_MACHINE エラーを出して24時間sleepしています。どうすればいいですか

EUE (Early Unit Endエラーメッセージ) を5つ出すとこの状態になります。EUEが頻発するマシンは、あなたの手で問題を修正しなくてはいけません。クライアントに設定ミスがあるときは、一番下にある FAQ とフォーラムのリンクを活用して修正してください。それ以外のケースでは、だいたいドライバ絡みのトラブルが原因です。お使いのハードウェアにどのドライバが適切かは、上の方にある説明を読んでください。残念ながら、クライアントからエラーの詳しい情報は得られません。クライアントに分かるのはCUDA(等)が動かないことのみ、そして動かない原因はたくさんあるのです。(今のところ、coreが原因を突き止める手段はありません)

クライアントが以前は正常に動いた場合、マシンを再起動するとうまくいく場合があります。またクライアントは起動し直すたびにEUEカウンタがリセットされます。

GPUクライアントはどこにインストールされますか

GPUシステムトレイ版クライアントは、v6.x CPUシステムトレイ版と同様、Windowsアプリケーションの標準的なインストール手順に従ってインストールします。この新しい種類のクライアントは従来のGUI版に似ていますが、大きく変更されており、またタンパク質のビューアはモジュールが分かれています。

クライアントのexeファイルはディレクトリを選択してインストールすることもできます。

デフォルトの場所は
Windows XP/2003の場合:
実行ファイル: "C:\Program Files\Folding@home\Folding@home-gpu\Folding@home.exe"
データファイル: "C:\Documents and Settings\<your_windows_username>\Application Data\Folding@home-gpu\"

Windows Vista/7の場合:
実行ファイル: "C:\Program Files (x86)\Folding@home\Folding@home-gpu\Folding@home.exe"
データファイル: "C:\Users\<your_windows_username>\AppData\Roaming\Folding@home-gpu\"

Note: クライアントのインストーラはデータファイルへのショートカットをFolding@homeプログラムフォルダの中に作成します。また、GPUクライアントを起動するショートカットをスタートアップフォルダに作成します。このスタートアップショートカットは「リンク先(T):」と「作業フォルダ(S):」欄で特定のファイルの場所を指し示しています。このデフォルトのショートカットに対し(GPUクライアント多重実行のところで説明した)クライアント起動オプション追加をしてはいけません。起動オプションを追加するときは、上の方にある 新しいショートカットの追加方法 の説明に従ってください。

GPUクライアントがサーバOS (Server 2003など) 上で動作しません

画面のプロパティ--設定--詳細設定 より、ハードウェアアクセラレーションを有効にしてください。(WindowsサーバOS版では、デフォルトが 無効 になっています)

ベータ版クライアントについて

ベータテストを目的として、初期段階のクライアントを頻繁にリリースしています。これらベータ版は若干粗い部分があるかもしれませんが、どのユーザ環境でもそこそこ安定して動くと思われます。

ベータ版ソフトウェアご利用の際は、インストール前にハードディスクの大事なデータをバックアップしてください。ほんのわずかでもマシントラブルや不安定が許されない環境では、ベータ版クライアントを実行してはいけません。開発段階のベータ版クライアントおよびサーバの性能は、標準FAHクライアントから大きく異なる場合があります。原因としてワークユニットの不足、アップグレードのためのサーバ休止、開発ベンチマークレベルから少々あるいは大きく逸脱した一日あたりポイント(PPD) といったものがありますが、それらに限りません。

最後に、これらのクライアントは従来のクライアントより高めのPPD(一日あたりポイント)が設定されていますが、これは試験的なベータ版ソフトにはメンテナンスの手間がかかるためです。なるべくスムーズに動くクライアントを希望なら、高性能クライアントではなく標準クライアントのほうをお勧めします。高性能クライアントを実行するときは、実行中に様々なトラブルやメンテナンスで手がかかることを覚悟してください。(この埋め合わせとしてPPDを割り増しています)


GPU2/ATI版クライアント 特有のトラブル

Vista/Win7上でまともに動きません

Vista/Win7でGPUクライアントがきちんと動作するのは 「XP互換モード」 や 「管理者として実行」 のみ、という報告を受けています。もしVista/Win7上のATI版クライアントでトラブルが起きたら、これらを試してください。回避策は調査中です。

GPU1クライアントと同じWUを処理できますか

いいえ、第二世代GPUクライアントではFahcore_11.exeの機能を利用できる特別に構築したWUセットが走ります。Fahcore_11 は第一世代GPUクライアントで走らず、またFahcore_10も新クライアントからは実行できません。

GPUのクロックを調節してもいいですか

3xxxハードウェアでは、FAH実行時に3Dモードのクロックが自動的にセットされるほか、Catalyst Control CenterのOverdriveパネルでGPUコアとメモリのクロックスピードを変更できます。グラフィックス用の安定クロック設定がFAH実行時にも安定するとは限らないことに注意してください。また、オーバークロックは自己責任です。2xxxハードウェアでは3Dモードクロックの自動設定が当てにならないので、クロック調整にはATI Tray Toolなどのサードパーティツールを使用します。繰り返しの注意ですが、クロック設定は基本的にいじらず、ドライバの自動調整に任せることを推奨します。

PCIeとAGPでは差がありますか

GPUクライアントがベストの性能を発揮するのは、グラフィックボードをPCIe x16スロットに挿したときです。x8やx4スロットの場合、CPU-GPU間の通信速度が落ちるため少し性能が落ちます。AGPボードもサポートしていますが、CPU-GPU間通信が遅いため全体的にPCIeより性能が下がります。なおPCIe Gen2の場合、Gen1よりほんの少し高速です。

サポート対象のGPUがないというエラーになります

At present, only ATI Radeon HD 2xxx/3xxx/4xxx/5xxx and ATI FireGL Vx6xx GPUs are supported というエラーが出るとき、クライアントはそのGPUカードを認識できていません。クライアントがサポートする 2xxx/3xxx/4xxx モデルのGPUでこのエラーに遭遇したときは、十中八九 カスタムデバイスドライバが原因と考えられます。OEMやノートPCメーカーはオリジナルのCatalystに修正を加え、製品に添付して出荷しています。公式の最新ATI Catalystドライバをダウンロードしてインストールしてください。

現在、プライマリのディスプレイアダプタが 2xxx/3xxx/4xxx/5xxxモデルでない場合も同じエラーになるようです。CoreStatus = FFFFFFFF (-1) エラーになることもあります。これはATIのカードをプライマリに変更すれば解決するでしょう。

クライアントv6.23 で 5xxxシリーズのGPUを動かす場合、ドライバv9.10以降を使用し、起動オプション -forcegpu ati_r700 を必ず指定してください。

coreがDLLを見失ってしまいます。

アンチウイルスソフトが動いている環境で、異常な挙動を確認しています。原因は調査中です。この現象に見舞われたら、再起動後にもう一度クライアントを起動してみてください。

DLLエラーのダイアログ窓がポップアップします

DLLエラーがポップアップしたら、インストール先(デフォルトでは C:\Program Files\Folding@home\Folding@home-gpu)に行って amdcalcl.dll と amdcalrt.dll が FahCore_11.exe 等と同じフォルダ内にあることを確認してください。ない場合はファイルを検索して (隠しファイルやシステムファイル・フォルダを含めてください) 所定のフォルダにコピーしてください。

新しいDLLで問題が出る原因は?

クライアントが使用している新しいシステム(CAL)は、DLLで動作します。DLLに絡む問題を回避するため静的リンクも検討していますが、今のところDLLを使うしかありません。


クレジット

アルファベット順で:

  • Adam Beberg (Pande研究室): クライアント修正、GPU API内部
  • Dan Ensign (Pande研究室): サーバセットアップ、サイエンス、テスト
  • Mark Friedrichs (Pande研究室, Simbios): core科学技術計算コードアップデート、テスト
  • Mike Houston (AMD): テスト、問題解決、GPUチューニング
  • Vijay Pande (Pande研究室): プロジェクト管理、不適合者たちをうまく使う、などなど
  • このほか、本FAQ作成と初期ベータテストに協力したFolding@homeコミュニティフォーラムのモデレータ各位に感謝します。


関連情報:


Last Updated on November 19, 2010, at 07:09 AM